課題2.継続教育が不十分
確定拠出年金を導入した企業には、法令上、従業員に対して制度の概要や金融知識を継続的に教育することが義務づけられています。しかし現状では、そういった教育を定期的に実施している企業は少ないようです。
その結果、運用商品の選択状況を見ると6割弱が預貯金と保険で占められており、せっかくの良い制度が十分には活かされていません。
また、導入企業の運営管理機関への要望を見ても、上位5項目のうち3項目までが投資教育への要望となっています。
- 自社に合う継続教育に関するアドバイス
- わかりやすいツール類の作成
- 社員間のバラつき縮小の効果的な教育
- 離・転職社員へのフォロー
- 資産配分見直しタイミングなどの教育支援
※NPO DC総研「第13 回 企業型確定拠出年金制度の制度運営に関する調査」(2016年11月)を加工して作成
なぜ、継続教育が十分に実施されていないのでしょうか。
おそらく大企業の多くは、制度導入の主目的が退職金制度の移管による財務メリット(退職給付債務の削減、運用リスクの回避など)であるため、導入した時点で目的が達成されてしまい、継続教育に力を入れようというインセンティブが働きにくいのでしょう。