2025.07.18確定拠出年金制度 |
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いよいよ中小企業が企業型DCを始められる環境に

経営者、従業員のどちらもファーストな仕組み
久しぶりに国政選挙が盛り上がりを見せています。目下、参議院選挙の期間中ですが、この原稿が世に出ている頃には、大勢が判明していることでしょう。日頃、政治に無関心の妻すらも話題に出すほどなので、世論がどのような投票行動に出るのか楽しみです。
当初、今回の選挙の争点は、物価高対策への是非かと思っていましたが、ここに来て「日本人ファースト」というキーワードが急激に注目されてきています。背景には、トランプ大統領の「米国ファースト」がありますが、我が国においては「日本ファースト」ではなく、「日本人ファースト」となっていることに対立と分断の思惑を感じます。選挙を通じて政治家には国民全員が将来に希望を持てるビジョンを見せてほしいと思います。
さて、「日本ファースト」ないしは「日本人ファースト」が自分たちの生活をより良くしていこうという動きであるならば、政治の動きを待たずに、企業や個人で将来のビジョンを描くことができる仕組みあります。それが、経営者や従業員といった働く人の年金づくりを応援する企業型確定拠出年金(以下、企業型DCと言う。)という制度です。
経営者にとっては、従業員の福利厚生として退職金制度を導入しながら、企業負担の掛金を損金に算入できたり、掛金部分の社会保険料負担を削減できたりといったメリットを享受することができます。また、従業員も自ら拠出した掛金部分に対する所得税の軽減や社会保険料の削減といったメリットがあり、労使どちらもwin-winとなる制度です。
大企業を中心に導入が進んできた企業型DC
さて、確定拠出年金制度が誕生してすでに20年以上が経ち、現在、5万を超える事業所が確定拠出年金制度を導入していますが、この数は多いのでしょうか?
厚生労働省によると、厚生年金保険の適用事業所は全国に約283万事業所あるようです。※このうちの5万事業所というと、導入率は約1.8%です。このことから事業所数という観点では、まだまだ多くの企業が未導入の状態であると言えます。
※ 厚生労働省年金局「厚生年金保険 業態別 規模別 適用状況調 令和6年9月1日現在」
下のグラフは、企業型DCの実施状況を従業員の規模別に比較したものです。これを見ると、企業規模の大きい事業所ほど、企業型DCの導入が進んでいることが分かります。導入している事業所の規模による実施状況の差が生まれているのが現状です。

※第19回社会保障審議会企業年金・個人年金部会 「私的年金制度(企業年金・個人年金)の現状等」資料より筆者作成。
この状況は、導入や運営にかかる手間やコストが要因で生まれていると考えられます。これまで、事業所が企業型DCを導入する際には、一つの事業所が単独で導入する「単独型」や親会社を中心とした企業グループなどの複数の事業所で導入する「連合型」での導入がメインでした。
これは、企業型DCの導入に際して、導入企業に応じたプランを作り、それを規約に落とし込み、厚生局の認可をもらうといった、一連の手続きの煩雑さやその手続きを支援してもらうためのコストが大きく、実施規模が大きくないとペイできないために、経営資源の少ない中小企業の導入が進まないとった事業主側の事情がありました。
総合型の活用により広がりを見せる中小企業への導入
先に引用した厚生労働省の資料によると、被保険者数が100人未満の事業所数は全国に約259万事業所あり、これは全被保険者数の約4割の方がこの従業員数100人未満の中小企業で働いていることになります。
中小企業より、企業体力に勝る大企業の方が退職金等の福利厚生制度が充実しており、その支給水準も高くなっていることは一般的に知られていますが、全被保険者の4割近くを占める中小企業にお勤めの方が導入の手間やコストといった要因から企業型DCを利用できないのは、看過できない問題です。
この問題に対する解決策として、近年、少しずつ認知が広がりつつあるのが、資本や人的な繋がりのない企業が一つの年金規約を基に企業型DCを導入する「総合型」による企業型DCの導入です。この総合型の場合、導入する事業所は、すでにある年金プランに用意されている導入パターンを自社の状況に合わせて選択し、後は必要に応じて調整するだけで導入可能です。そのため、自社での設計が必要な「単独型」やグループ企業間での調整が困難な「連合型」と比較して、かなり簡易に導入することができます。
手前味噌で恐縮ですが、当社が2014年に運営を開始した「自立して堂々と生きていこう」年金プランも総合型の企業型DCの先駆けの一つとして現在200社を超える中小の事業所に導入いただいています。
導入された事業所の方からは「銀行に相談したが規模が小さくて相手にしてもらえなかった」、「これまでコストの高さから導入を諦めていた」、「自分たちでイチからプランを作成するのは人的に難しかった」、といった導入に係るハードルの高さに苦慮されていた声を多く頂戴しています。
これまで、企業型DCの導入を検討されたにも関わらず、そういった導入ハードルの高さで導入を見送った事業所の方がいらっしゃいましたら、当社の「総合型」の企業型DCであれば導入が実現するかもしれません。
企業型DCの導入でお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非、お声がけください。







