2025.09.05公的年金 |
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自分の年金は自分でつくる時代へ

老後資金2,000万円問題がなかなか消えない理由
投資運用の世界に身を置いていると、多くの方が「老後のお金」を心配し、その資金づくりのために投資を始めているということを強く感じます。この感覚は2019年に話題となったいわゆる2,000万円問題以降、一層強まっています。その後政府は、あくまでもモデルケースの話であり、国民全員が等しく2,000万円不足する訳ではないと躍起になって火消しを行いました。
しかしながら、老後2,000万円問題は現在の年金制度が今後も維持される前提での計算なのです。超少子高齢社会の日本において、今後も同水準の年金制度が維持されるのか? 国民の多くが懐疑的であるために、その不安がいつまでも消えずに残っていると考えられます。
なぜ公的年金制度に不安を覚えるのか?
超少子高齢社会だと、なぜ年金制度の維持が難しいのでしょうか。
それは、日本の公的年金制度が現役世代が納めた保険料を、同時期の年金受給者世代の年金支払いに充てる「賦課方式」を採用しているからと考えられます。日本の人口動態を考えると、平均余命が伸び続けていることにより今後も年金受給者世代の数はほぼ横ばいですが、出生数が年々減少するため高齢化率が増加していきます。
出生数の減少はそのまま将来の勤労者世代の減少に繋がるため、将来的には現役世代1.4人で高齢者1人を支えることになると試算されています(※1)。 国民の多くが「このままで年金制度は持つのか?」という不安を覚えるのは仕方がないことです。※1「令和7年版高齢社会白書」より
注目される日本の年金制度改革
さて、このような公的年金への不安感から、この賦課方式を改め、自分が将来貰う年金を自分で積み立てる「積立方式」や、社会保険料として徴収するのではなく年金財源を消費税で賄う「税方式」、そもそも国家予算として財政に組み込もうとする「財政方式」を採用しようといった様々な改革議論があります。
ところで日本から海外に目を向けた場合、主要各国はどの方式を採用しているのでしょうか?
実はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツといずれの国も日本同様に賦課方式を採用しています。よく賦課方式は「世代間の助け合い方式」と説明されることがあるため、日本独自の方式と勘違いされる向きもありますが、現時点においては各国において採用されている非常にポピュラーな年金制度といえます。
上述したどの改革案も一長一短ありますが、いずれの方式を採用しても移行期をどうするのか、すでに納付している人との公平性をどう保つのかという重要な課題について避けては通れません。どのような議論をするにしても、年金制度改革はリタイア世代の受給減と現役世代の負担増という痛みが伴います。そのため、与野党ともになかなか抜本的な改革を議論できないのが現状です。
また、ようやく非正規社員の年金加入についても手当されましたが、日本の年金給付水準はOECD各国と比較した場合(※2)、かなり低水準の部類に入ります。約90万人に上る年金未納者問題もあり、世界に先駆けて高齢化が進む日本が今後、どのように年金制度を維持していくのか。その改革の方向性に世界が注目しています。※2 OECD(経済協力開発機構)『Pensions at a Glance 2023』「Figure 4.1. Gross pension replacement rates in percentage: Average earners at retirement age and age 80」より
自分の年金は自分でつくる時代に向けた雇用主の責務
公的年金の今後の在り方について「賦課方式」、「積立方式」、「税方式」、「財政方式」の4つのスタイルを上述しましたが、そのうち私たちが個人として対応できるのが「積立方式」による私的年金の充実です。積立方式の私的年金の代表的なものとして、個人型確定拠出年金のiDeCoと企業型確定拠出年金(企業型DC)の2つがあります。
どちらの制度も、自分で毎月コツコツ積み立てた資金を年金として受け取るまでの間に投資信託等で運用し、リタイア後に積み上がった資産を一時金や年金で受け取ることができる制度です。
今の満足度を最大限高めるのか、将来の自分のために少しだけ我慢して備えるのか? 選択は個人に委ねられるため、非常に納得感の高い制度といえます。
この2つのうち、より従業員の節税や導入する企業の社会保険料削減に繋がるのは企業型DCになりますが、この制度は企業が制度を導入しない限り、従業員はその大きなメリットを享受することができません。
せっかく整備された制度も使わなければ絵に描いた餅です。従業員の老後資金の積立を行いながら法人税の削減効果が期待できる企業型DCの導入は、雇用主として、また、経営者としても未来に向けた重要な選択肢の一つといえます。
これまで企業型DCは大企業ではないと導入が難しいと言われてきましたが、現在では導入のハードルも下がり、一人法人も利用されるようになりました。
弊社の企業型DCは小規模法人向けに低コストでスピーディーな導入を心掛けています。企業型DCの導入でお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非お声がけください。一緒に役員、従業員の皆さんの自分年金づくりを進めていきましょう。







