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2025.04.30投資、運用

投資商品選びは自分が望む未来選び

日本でもNISAやiDeCoといった言葉が少しずつ認知されてきました。

特にNISA制度が改正され非課税期間が無期限になり、NISAを取り扱う各社の顧客獲得キャンペーンが活発になったことで、急速に認知が広まった感があります。

さて、いざ投資を始めようと口座を開設しても、これまで投資をあまりやってこなかった方々には、投資を始めるにあたって「どういう商品を選べばいいのだろうか?」という疑問が立ちはだかります。

今回は投資を始めるにあたっての商品選定の背景を踏まえ、NISAやiDeCoでの投資商品の選び方について考えてみたいと思います。

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話を進める前に、まずは改めて簡単に各制度について整理したいと思います。

 

2024年に大きく制度変更されたNISAはつみたて投資枠と成長投資枠の2つの非課税枠が用意されており、併せて1,800万円の投資元本(実際に投資するために出したお金)分まで、売却益が非課税になる制度です。資金の出し入れが自由で使い勝手が良いというのが特徴です。

 

一方iDeCoは以下の手厚い3段階の税制優遇が特徴の制度です。

①投資資金を拠出する段階

投資資金自体が所得から控除される(始めから所得がなかったものとして扱われる)ため、仮に売却益が発生しなくても所得税や住民税の削減効果が発生

②売買の段階

iDeCo口座内で商品を乗り換えるスイッチングを実施した際の売買に伴う売却益が非課税

③受給の段階

受給可能年齢に到達して年金として受け取る場合には公的年金等控除、一時金として受け取る場合には退職所得控除といった税制優遇あり

資金の出し入れが60歳まで制限されるため老後のための資産づくりに適している

 

どちらの制度も使い方によっては投資家にとって非常に有利な制度であり、ライフイベントの予定により短期間~中期間での資金の自由度を優先される方はNISA、長期で老後資産を作りたい方は節税メリットを最大限享受できるiDeCo、資金に余裕がある方は両方を利用するというように使い分けできます。

さて、そんなに良い制度なら是非、利用したいと考える方も多いと思いますが、そういった方の頭を悩ます問題として立ちはだかるのが冒頭でも触れた「自分はどういう商品を選べば(投資すれば)いいのか?」という問題です。

 

こういった問題を生み出している要因はいくつか考えられますが、その1つはNISA口座やiDeCo口座を提供している金融機関側にあります。

現在、NISA口座の多くはネット証券経由で申し込まれていますが、その大手ネット証券において、NISA口座で選択できる商品は1,000商品を大きく超えています。いずれの会社も豊富なラインナップを利用者に提供しようとした結果、利用者が選びきれないほどの商品を用意してしまっている状況です。

ずらっと並ぶ商品リストを前に、戸惑い思考停止してしまいそうになる投資初心者の方の姿が目に浮かぶようです。

 

要因の2つ目はリスク許容度を踏まえた投資プランの決定です。

例えばiDeCoの場合、商品選択が容易になるようにプランに組み入れることのできる商品の数に制限があります。商品は分かりやすく元本確保型、国内債券型、国内株式型に海外株式型など、いくつかに分類されて提供されています。ここで登場するのがリスク許容度診断です。大抵はいくつかの質問に答えると、どの分類のどの商品を選べばいいのかを推奨してくれます。

しかしながら上記の投資診断で推奨されるものは、主にリスク許容度と言われる「資産運用で発生する損失をどの程度まで受け入れることができるか」で判断されているものです。このリスク許容度診断による商品選定を言い換えるならば、「投資家は取れるリスクの大きさだけを考えて商品を選択すれば良い」ということになりますが、果たしてそうでしょうか?

NISAやiDeCoは将来のための資産形成のために設けられた制度であり、当然、その制度を使って長期的に資産を増やしていくことが期待されます。一方で、NISAやiDeCoに投じられるお金は、多くの場合、投資家一人ひとりが汗水流して得た労働の対価でもあり、何物にも代え難い大事なお金です。それにも関わらずリスクの大小だけで大事なお金を投じる先を決めるのは、投資初心者にとっては甚だ心許ないと言えます。

 

そういった悩める投資家が頼りにするのが、各販売会社が提供している売れ筋商品ランキング等の各種人気ランキングですが、それこそが自分不在の商品選択の3つ目の要因と言えます。

一般的に日本人は世界的に見てランキング好きと言われています。偏差値重視の高校選びに始まり、就職に強い大学ランキング、就職先人気ランキング、結婚相手に求める条件ランキング等々、ライフイベントの節目において、自分がどうしたいかよりも「みんなはどう考えているか?」「みんなはどうしているのか?」を意識した選択や行動をとる傾向にあります。

 

この傾向はNISAやiDeCoにおける投資商品選択においても例外ではありません。その結果、一部の投資商品に人気が集まり、流行となる金融商品が登場しています。しかしながら、みんなが良いという商品が本当に自分にとって適した商品であるかは分かりません。

例えば、少子化で人口減少が進む日本の未来に対して、ネガティブなイメージを抱く方が多くいます。そのため、日本と比較して成長が見込める海外にある企業の株式を中心に投資する商品が人気のようです。投資をするうえで、より成長が見込める地域や分野に投資することは一般的に理に適っており異論を挟むつもりはありません。

 

さて、この一見、理に適っていると思われる海外への投資ですが、ここで一旦立ち止まって考えて頂きたいのが、皆さんが本当に望んでいる未来の姿です。

例えば、日本の将来を悲観されている方は、このまま廃れていく日本で良いとお考えでしょうか? 恐らく多くの方が、私たちの子や孫といった次の世代が暮らしていく日本が、これからも平和で安全な国として長く繫栄していくことを望まれていると思います。海外だけが成長して、日本が取り残される姿は誰も望んでいないでしょう。

しかしながら、いざ投資する段階になると、自分の考えや希望をないがしろにし、経済的利益を見て、リターンが大きそうな商品を選んでしまいます。

 

ですが、本来投資とは、自分が希望する未来に対してリスクを取ってお金を投じることにあります。トランプ大統領就任後の株価の乱高下が象徴的ですが、株価は自分の思いも及ばないところで動きます。これから長期で投資をする場合、そういった動きに一喜一憂しない、どっしりとした気持ちが必要になってきます。そういった気持ちを支えるのが、自分の投資が未来を作っていくという自負です。

リスク許容度に応じたランキングを参考にされるのも良いですが、「自分が望む未来とはどんな未来なのだろうか?」投資商品選択の際には、是非、一旦立ち止まり、自分が見たい未来をイメージし、その未来の実現に資する投資先を選んではいかがでしょうか?

 

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