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コラム

2020.10.21老後のお金、年金

「年金は将来本当にもらえるのか」という不安について、年金財政から考えました

仕事がら、年金の話をすることがよくあります。
そのとき多くの方が口にするのは、「公的年金への不安」です。極端な方になると「どうせ自分はもらえないのに毎月保険料を払うなんてバカらしい」とまで言われます。

本来は安心をもたらすはずの年金が、逆に多くの人を不安にさせているという、なんともやり切れない話です。

老後の不安ナンバー1

公的年金が破たんして将来もらえなくなってしまうとしたら、これは大変なことです。そんなことになったら、老後の生活費をすべて自力で準備しなければならないのですから。

では、それは具体的にはどれくらいの金額になるのでしょうか。統計によると、高齢夫婦世帯の平均的な生活費は月27万円くらいとされています。それをもとに計算すると、1年間の生活費は約324万円。65歳からの老後期間を20年間とすれば「324万円×20年=6,480万円」。

つまり、最低でも約6,500 万円ものお金を、すべて自力で準備しなければならないのです。これでは、現役時代には欲しいものや、やりたいことを我慢し、極力お金を使わない生活をしなければなりません。

しかし、年金は本当に破たんしそうなのでしょうか?
そもそも多くの場合、こういった心配をする方も年金の基本的な仕組みや財政のことをほとんど知らないというのが現状ではないかと思います。「知らないから不安になる」ということも多いものです。この機会に、公的年金についての理解を少し深めてみましょう。

年金の仕組みは「世代間扶養」

公的年金の仕組みは「現役世代から集めた保険料を、そのときの高齢者に年金として支給する」というものです。逆に言えば、私たちが将来高齢者になったときに受取る年金は、その時代の現役世代が支払う保険料によってまかなわれるわけです。

こういった仕組みを「世代間扶養」と呼びます。クルマに例えると、常にガソリンを補給しながら走るようなものですから、途中でガス欠になって動かなくなるようなことはまずありません。

公的年金の仕組みは「世代間扶養」

「でも、日本は高齢化が進んでいるから、もらえる年金がどんどん減っていくんでしょ?」確かに、高齢化が進むと年金をもらう人に対して保険料を払う人が少なくなっていくので、この心配はもっともです。しかし、公的年金の仕組みをもう少し知ると、必ずしもそうとは限らないことが分かります。

年金の財源は、現役世代が支払う保険料だけではないのです。

他に二つの財源

年金の財源には、私たちが毎月支払っている保険料の他に「国庫負担」と「年金積立金」の二つがあります。

国庫負担というのは、政府が支払うお金のこと。元をたどれば私たちが納めている税金です。公的年金のうち全国民が加入する基礎年金部分の支払いの半分は、この国庫負担によってまかなわれています。

年金積立金というのは、過去に集めた保険料のうち、年金の支払いに使われず余ったお金を積み立てたもの。この年金積立金の残高は、公的年金全体で約201 兆円もあります(2019 年3 月末時点)。

急減するおそれは少ない

ここで、年金財政の全体像を見てみましょう。
2014 年度の公的年金全体の給付額は約53 兆円。これに対して現役世代からの保険料収入は約38 兆円。約15 兆円が不足しています。この不足分を、国庫負担:約13 兆円と、年金積立金+運用収益等:約2 兆円でカバーしています。

一方、年金積立金の残高は、201 兆円となっています。仮に毎年、積立金から2兆円取り崩したとしても100年分はまかなうことができます。こうしてみると、少子高齢化が進むからといって、年金の財源もそれに比例してどんどん減っていくのかというと、必ずしもそうではないことがわかりますよね。

とはいえ、少子高齢化によって年金の支給水準が緩やかに低下していく流れにあるのは間違いありません。「老後なんて先のこと。いざとなったら国がなんとかしてくれるだろう」という甘い考えでいるのは危険です。

正しい知識に基づき、自分のアタマで考え、必要な準備を今すぐ始める。今の時代を生きる私たち世代にとって真に大切なのは、小手先の節税や投資手法ではなく、そういった「自立した姿勢」なのではないかと思います。

2020.10.21修正(初出:2017.11.10)

まとめ

  • 年金の仕組みは「世代間扶養」なので、将来もらえなくなることはまずない。
  • 年金の財源には保険料だけでなく国庫負担と年金積立金があるので、少子高齢化の影響はかなり緩和される。
  • とはいえ、支給水準は低下する流れ。正しい知識に基づいて、必要な準備を始めよう。

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